Lv41「エピローグ~史上最悪の市街戦~」 【この中に一人っ!ラスボスがいる】●LV9999億の骸骨

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公開日: 2016年9月26日月曜日 この中に一人っ!ラスボスがいる! 自作小説





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この中に一人っ!ラスボスがいる】●LV9999億の骸骨

ワルキュラは、大事なルビーをお姫様抱っこして、タバコBARの階段を駆け上がった。
転移魔法は自分以外を運搬すると、高確率でルビーが原子分解されるから使えない。
どこに共産国の暗殺者が隠れ潜んでいるかは分からないが、ワルキュラは地上に出てカマかけを行った。

「おーい! 暗殺者ー!
居るのはわかっているぞー!
でてこーい!3秒だけ待ってやる!」

1秒、2秒、3秒……何の反応もない。
表通りにいる通行人は、時間停止の影響を受けてストップしたままのように見える。
やはり、この暗殺者はその職業名通り、正面決戦は全くやらないのだろう。
都市のどこに隠れているのか分からないから、ワルキュラは攻撃目標を絞れない。

「「カマかけしても出てこないか……
なんて狡猾な敵なん―― 」

言い終わる前に、ワルキュラの背後で大爆発が起きた。
タバコBARだ。膨大なエネルギーが炸裂し、通路が銃口と同じ原理を果たして、背中に超高熱のエネルギーが突き刺さる。
明らかに戦車すら容易く溶かせる熱量だ。全くワルキュラにダメージは入ってないが。

(こ、高性能な爆弾だったりするのだろうか!?
暗殺者はどこまで卑劣なのだ!)

気づけば、時間停止は解除されていた。
恐らく、爆弾が持つ爆発エネルギーを炸裂させて動かすために、解除したのだろう。
幸い、ワルキュラがほとんどのエネルギーを吸収したから、被害はタバコBAR1軒だけで収まっている。
通りを歩いているアンデットやエルフ娘達には何の被害もない。
ワルキュラがここに来る際に利用した黒塗りの高級車も無傷だ。
手元にいるルビーも、スカートの端っこが焼けただけで、怪我はしていない。

「あれ?
BARにタバコを買いに来たんじゃ……?
ワルキュラ様?僕、なんで外にいるんですか?」

そう言って、ルビーは真っ赤な目で周りを可愛らしく見渡している。
ワルキュラは心の底から安心して、大切な嫁に話しかけた。

「そうか、良かった。
ルビーも無事のようだな。
どうやら、共産国の暗殺者が先ほどまで近くにいたようなのだ。
時間を……停止できる奴がな。
BARにいた連中は、今頃、ドリームランドで暮らしながら蘇生を待っている事だろう」

あの世があるおかげで、死者の蘇生は簡単だ。
ただし、被害者に人間が含まれていると、蘇生後はアンデットになってもらうしかない。
エルフへの転生は、多額の金を、帝国に寄付しないと実行されないのだから。
そんな風に、ワルキュラが一瞬で悩んでいると、ルビーが深刻そうな顔で――

「なんて酷い……!
僕のワルキュラ様は何も悪い事してないのにっ……!
なんで憎まれないと駄目なんですかっ……!」

「う、うむ、そうだな……」

ワルキュラは、人間王国の皆を、公共事業(サン・レイ)で、大勢死なせてしまった事を思い出した。
十分、テロの対象になる原因が自分にはある。
しかし、今はそれよりも、暗殺者への対処が最優先である。
時間が普通に流れている以上、敵は、どうやら遠くへと去ったようだ。

(直達対決を避けて、間接的なテロ攻撃か……欝だ。
俺が最も苦手とする戦い方を敷いてくる相手だな……。
町ごと潰す訳にも行かないし……。
ゴースト系アンデットは、ドリームワールドで暮らしているから人手が足りん……。
普通のアンデットじゃ、時間停止を行える相手に、市街戦は辛すぎるだろう)

日常的に、嫌がらせを受けると思うと、ワルキュラの心が怒りで染まりそうだ。
自分を標的にするのは良い。
だが、ルビーを狙う事そのものが許せない。
下手したら、アトリや、プラチナなどの側室達も、爆弾テロの犠牲になるだろう。
早急に、暗殺者を排除するか、仕事を止めさせて、ドリームランドか刑務所に放り込まないと駄目だ。

(こうなったら……俺も覚悟を決めるしかない!)

ルビー達を守るためならば、新たな悪評が広まっても良い。
そう思ったワルキュラは異次元(ドリームランド)から、衛星携帯電話を取り出し、首相官邸のボタンをポチポチッと押した。
携帯が震え、回線はすぐにホネポ首相の元へと繋がる。

『こちらホネポ首相――』

「俺だ!
時間停止を使える暗殺者が、爆弾テロを起こした!
至急、共産国に圧力をかけてくれ!
これ以上、暗殺者を放置すると、犠牲者が増えるばかりだ!
猛烈な抗議を頼む!
必要なら軍隊を使っても構わない!」

『……分かりました、陛下』

「あと、暗殺者に賞金をかけろ!
帝室収入は幾らでも使っていい!」

『ただち、全力で共産国の過ちを糾弾いたします』

無感情なホネポの声だったが、少し驚いているように聞こえた。
通話はすぐに終わり、ルビーが首を傾げて冷や汗を流している。

「お、温厚なワルキュラ様が怒ってる……?
あ、あの、僕は無傷ですよ……?」

ルビーの引き込まれる様な赤い瞳を見つめながら、ワルキュラは返事をする。

「……今回のは下手したらルビーが死んでいた。
俺は好きな娘を傷つける奴は絶対に許せん。
蘇生できると分かっていても――俺は暗殺者を許せない」

「ワルキュラ様……僕、アナタのお嫁さんになれて幸せです……」

「うむ……俺もルビーのおかげで、生きている頃の感覚を思い出す事ができて幸せだぞ?」

そう言って、ワルキュラは、愛しい妻の頭を優しくナデナデした。
数百を越す通行人達がその場で土下座して、リアル大名行列状態になっていたが、ワルキュラは現実から目を逸らして、ルビーを見つめ続けた。

「「ワルキュラ様に栄光あれぇー!」」
「おかーさん、あれってロリコンだよねー」
「あ、アナタも頭を下げなさい!殺されるでしょ!」





暗殺者が既に死んでいると、証言をするものは誰も居なかった。
共産国は、建国史上最大のピンチをこうして迎える事になる。


3章 おしまい



 ドリームランド「ようこそ!夢の世界で!」

ミスター・ボンドー「ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!!!助けてぇぇぇぇぇ!!」

ドリームランド「ここは生者と帝国に税金を納めている人しか利用できない施設!
未納税の死者は現世に出荷(転生)よー!」

ミスター・ボンドー「自我が消えちゃうー!」

ドリームランド「人間スペック低いから、転生前の記憶があると逆に不便なのだ。
記憶は全消去するに限る」

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この中に一人っ!ラスボスがいる】●LV9999億の骸骨

7 件のコメント :

  1. 修正完了

    共産国(ノ゜ω゜)(ノ゜ω゜)大変だぁー!大魔王が激怒したー!

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  2. 正義感のある共産国と独裁者を頂く民主主義かw
    両方相反するものを内包しながら回る世界は狂気じみてるなw

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    1. (ノ゜ω゜)(ノ゜ω゜)大丈夫ですよ。
      共産主義者は基本的に正義感たっぷりなんです。

      (ノ゜ω゜)(ノ゜ω゜)(結果が地獄ですけど)

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    2. 正義感ある共産主義って
      基本マルクスの唱えた方じゃなかったっけ?
      最後の本を出したのはエンゲルスで
      色々脚色されてるんじゃないかと噂されてるし
      何よりソ連に輸出されマルクス・レーニン主義になって
      根本の意味すら破壊されたようなw

      まあ基本民度の問題解決しないと
      共産主義って成り立たないけどね
      あくまでも主義自体は制度の問題であって
      共産主義を元に政治を行えば廃退するのは仕方ないけどねw

      削除
    3. (´・ω・`)そんなー(´・ω・`)

      削除
  3. でも2050年頃には技術の発展で政府がなんの打つ手を打たなければ採算の取れる範囲内でも機械による労働力の代替で今働いてる労働者の半分以下で今の社会を支えることが出来るとか・・・・
    機械に職業そのものが取って代わられる時代が近づいてるみたいだし今世紀中にもう一度輝きだすかもしれない(´・ω・`)

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    返信
    1. (´・ω・`)人類が皆ニート(´・ω・`)

      世界中の貧民(ノ゜ω゜)(ノ゜ω゜)やったー!

      削除

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(´・ω・`)1日に1回、システムからスパムだと判断されて隔離処置されたコメントを、元の場所に戻しておるんじゃよ。

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マザーテレサ(ノ●ω●) 人間にとってもっとも悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない。 自分はこの世に不要な人間なのだと思い込むことだ。