30話 詐欺戦争-13 「真っ直ぐ逃げたら駄目だ、逃げちゃ駄目だ 」 【LV0の不死王!】

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公開日: 2016年5月5日木曜日 LV0の不死王 自作小説





ゆっくり次に進むよ!
LV0の不死王!】 ☚纏めたぺーじ




↑↑↑↑↑【ピィザ軍】↑↑↑↑

    歩歩歩歩
    歩歩歩歩 
    歩歩歩歩
    歩歩歩歩
 騎  歩歩歩歩  騎
    歩歩歩歩
    歩歩歩歩
    歩歩歩歩
    歩歩歩歩 ☚歩兵の略称


王弟軍が敗退した事を知らないピィザ軍12万5000名は、縦に長い列を組み、集団の持つエネルギーを移動する事に割いていた。
この陣形が一番、早く動きやすい。
途中の地形に障害物が多数あっても、迅速に移動できる。
しかし、数が数だ。現代で言えば地方都市に匹敵する人数。
無理をしても一日に20km進めば良い方だ。
人間は食べる・寝る・ウンコ。最低でもこの三つをしないと生きていけないから、余計に移動の手間暇がかかる上に――この陣形で戦闘状態に突入すると、交通渋滞が発生して、ほとんどの兵士が遊兵化するという問題点がある。

「王弟殿下が奴らの足止めをしている間にっ!さっさと先を急ぐのだっ!」

「王弟殿下は言われたっ!俺を置いて先に行けっ!後で俺も合流するとなっ!」

「王弟殿下の死を無駄にするつもりかっ!」

危機感を抱いた貴族達が代わる代わる、兵士達を叱咤する。
だが、物理的にも精神的にも、歩兵の皆に限界が近づいている。
なにせ砂漠だ。昼間は暑いし、砂嵐でも発生したら怪我人が多数出るし、夜は寒い。
そんな場所を一日中、夜も通して歩いていたら、脱落する兵士も大量に出てくる。
ピィザ軍の後方では、歩く気力すら喪失したり、体調を崩して、座り込む兵士の姿がチラホラと見え始めてきた。

「ええいっ!もっと早く歩けないのかっ!
これでは追撃を受けてしまうではないかっ!」

それらを見たピィザ3世は真っ赤に怒る。彼には下々の気持ちは分からぬ。
だが、人一倍。今の状況が不味い事を理解していた。
後方から、大砲の砲撃音が聞こえた。つまり、彼の妄想の中では【骸骨の大軍がすぐそこまで押し寄せて来ている】という事を意味する。
見える距離まで追いつかれたら、この場にいるほとんどはあの世行きだと、彼は判断しているのだ。

「急ぐのは無理でしょうな……」

ピィザの隣に居た軍師チィズが答え、そして、言葉を続けた。

「現在ですら、兵士達に強行軍を敷いているのです。
これ以上、無理をすると、ほとんどの兵士が脱落するでしょうな」

「余の軍勢は、この程度の移動速度しか出せないのか!」

「大軍を移動させる事は難しく、個人個人の能力が秀でていようと、それは変わりませぬ。
敵地を移動している事を考えると、これでも早い方です」

「追いつかれたら無意味ではないかっ!
大砲の音が聞こえたという事は、骸骨どもはすぐ近くまで来ているという事だぞ!」

「……王弟殿下の作り上げた軍勢は、大物量に対応できる革新的な軍隊です。
きっと、我らが退却する時間を稼いでくれている事でしょう。
そして戦死してくださるはずです」 

チィズの口調は、少し棒読みだった。
政治的には、王弟とピィザ3世は何時、対立しても可笑しくない間柄。
殿の仕事を放棄して、セイルン国の北部地帯を目指しても可笑しくはない。
しかし、それはそれでピィザ陣営的には好都合だ。
大砲を抱えている王弟軍は、その運搬のせいで、行軍速度は落ちる。
大砲は重い、砲弾も重い、複数の馬で牽引する必要があるのだ。
一応、大砲を分解して運ぶという手段もあるが、これは進軍先の工場とかで、組み立て作業やらないといけないから困難。
つまり、王弟軍がどの選択肢を選ぼうと、骸骨どもの目の先に転がる美味い餌。それくらいの価値はでるはずだった。少なくとも、チィズの頭の中では、そういう事になっている。

「……下賤な血を引く弟の作った軍隊が、そこまで革新的か?」

弟への嫉妬心混じりに、ピィザ3世が言葉を続ける。

「銃と火薬は金食い虫だ。弾薬の補給の問題がありすぎるぞ……。
あんなものを量産して使い続ければ、一時的に効果があっても国庫が空になりかねん。
本末転倒だわい」

「……ですが、銃は弓矢と違い、一定の手順を覚えれば、短期間で使い手が養成できるというメリットがあります。
戦場で幾らでも消耗できる銃兵は、総合的に見れば経済的かと……ん?」

チィズの耳が、音を捉えた――悲鳴という音を。

「助けてぇー!」 「お母ちゃんっー!」

音の発生元は、後方からだった。
骸骨の大軍がいるかもしれない方角だ。

「おい、チィズ。
今、悲鳴が聞こえなかったか……?」

「どうやら……王弟殿下は役立たずだったようですな。
銃も大砲も、化物相手には無意味だったようで」

「落ち着いている場合かっ!
今は移動するための陣形だぞ!
こんな状態で襲われたらっ……最悪だっ!」

現在、ピィザ軍は縦に細長い列を組み、移動している。
つまり、集団の持つエネルギーを移動する事に費やしている形だ。
一応、紀元前のローマ帝国相手に戦っていたガリア人辺りは、この状況で高速移動して、敵と遭遇したら散開して戦うという器用な戦術を取っていたりするが――ピィザ軍は、そんな訓練は一切やっていない。
現状のピィザ軍の軍事システムでは、散兵戦術は逃亡兵を続出させる自滅戦術になる。
兵士は現代風に言えば、低賃金の非正規雇用だし。
二つの国の人間による混成軍だから、必然的に士気が低くなる。
習ってもいない、士気も低い、忠誠心も低い。
幸いなのは……歩兵部隊の左右に展開した騎兵集団だろうか。


↑↑↑↑↑【ピィザ軍】↑↑↑↑

    歩歩歩歩
    歩歩歩歩 
    歩歩歩歩
    歩歩歩歩
 騎  歩歩歩歩  騎
    歩歩歩歩
    歩歩歩歩
    歩歩歩歩
    歩歩歩歩 ☚歩兵の略称
  

 
鎧    鎧    鎧  鎧

  鎧    鎧☚デュラハンの略称
    
↑↑↑【デュラハン機動軍】↑↑↑↑↑


既に、それぞれ4千の騎兵を預かる指揮官マヨコーンとツナマヨは、彼らの持つ権限で騎兵を指揮して、後方から迫り来る千騎のデュラハンを攻撃しようと馬を走らせている。
だが、問題は相手が弓騎兵だ。
弓騎兵は――一定距離を保ちながら逃げて、後ろにいる敵を攻撃できる。そういう兵種。
すぐに騎兵集団は、矢の雨に晒され、次々と被害が続出する。
デュラハン達の使うコンパクトボウは射程距離は長いわ、移動しながら矢を放つから間合いを詰める事もできないわ、命中精度は高いわのトリプル・コンボが炸裂し、瞬く間に数を減じてしまった。
しかも、騎兵という兵種そのものが、標的としては大きすぎる。
デュラハンから見れば、歩兵よりも、騎兵を殺す方が遥かに簡単だ。

「俺たちはなんだぁー!」

「「「一撃離脱戦法を繰り返す自走砲さんっ!」」」

そして、最悪な事に。
騎兵集団の指揮官の頭に、幽霊娘が取り付き、周りの空間を光らせて、「ここに偉い人がいますよ~」と叫び、目印代わりになっていた。
幽霊娘がいる場所目掛けて、大量の矢が降り注ぎ、人間の指揮官マヨコーンとツナマヨは容易く死ぬ。
騎兵という兵種はただでさえ、集団戦闘に向かない兵種だ。
馬と人間という違う二種類の生物を組み合わせている以上、歩兵以上に混乱しやすい。
指揮官が次々と射殺されたら、瓦解し、無力化し、遊兵と化す。



↑↑↑↑↑【ピィザ軍】↑↑↑↑

    歩歩歩歩
    歩歩歩歩 
    歩歩歩歩
    歩歩歩歩
    歩歩歩歩  
    歩歩歩歩
    歩歩歩歩
    歩歩歩歩
    歩歩歩歩 ☚歩兵の略称
  

 
鎧    鎧    鎧  鎧

  鎧    鎧☚デュラハンの略称
    
↑↑↑【デュラハン機動軍】↑↑↑↑↑



ピィザ軍の騎兵集団が壊滅した今、残されたのは細長い隊列の歩兵集団。その中には極わずかだが僧侶達もいる。
デュラハンとしては、聖なる太陽を作り出す僧侶達は真っ先に殺すべき目標だが、今回の最優先目標はピィザ3世を殺す事だ。
なにせピィザ3世には、子供がいない。
彼を殺せば、ピィザ本国は次の正式な後継者を決めるために、多大なる混乱が生じる。
セイルン各地に駐留している大軍も、本国に帰らざる負えない。
愛らしい幽霊娘たちは勿論――ピィザ3世の真っ赤な頭に一人しがみついている。

「全軍反転せよ!
後方の敵を迎え撃てっー!
敵は少数ぞっー!」

ピィザ本人は、そんな事も知らずに周りに怒鳴り散らかした。
残念ながら、縦に隊列が伸びている以上、命令してもすぐに効果は発揮できない。

「……無理でしょうな。
移動のために、隊列が縦に伸びきっております」 軍師チィズは冷静なツッコミを入れた。

「何か良い案はないのかっ!
こんな時のために、貴様を軍師として雇い入れているのだぞ!」

「奴らが少数で、無謀にも仕掛けてきたのは……恐らくは我らの足止めが目的だと思われます。
すなわち、陛下がここに留まれば、敵の目標を自動的に達成させる事になるでしょう。
ここは戦わずに逃げるべきかと。
時間を浪費すれば、骸骨の大軍が押し寄せてきますぞ」

「逃げるだとっ!?
この神に愛されし、運命の申し子である余がっ!?
何故、逃げなければならぬっ!」

「ここにいる全ての兵力を失っても、まだまだピィザ軍には余力があります」

「兵士を見捨てて逃げた王に何の価値がある!
信頼という一番大切な財産を、余から失わせる気か!」

この会話を呑気に聞いていた幽霊娘は思った。
「あ、良い事、思いついた」って。
すぐに、仲間達に幽霊っぽい手段で連絡する。

「皆っ~。
ここでピィザ3世が逃げた~って言えば、人間達が信じ込んで大混乱するんじゃないかなぁ?」

「「わーいっ!
きっと高く評価されて、臨時ボーナスたくさん貰えるね!」」

幽霊の姿は、人間には見る事ができない。
だが、幽霊が本気出して無理をすれば、姿も声も見せる事ができる。
今回は声だけを、場に響かせば良かった。
もちろん、女の子の癒される声だと緊迫感にかけるから、声優さんの如く、男っぽい声を演じて彼女達は叫ぶ

「王が逃げたぁー!
兵士を置き去りにして逃げたよぉっー!」

「後方にいる邪魔な味方を殺して逃げたよっー!卑劣だよっー!
きっと給料も払ってくれないブラック企業の経営者だよー!」

「ウンコ漏らしながら、戦場から逃亡したよっー!」



【小説家になろう】「ラノベは表紙が命なん?」ネトゲの嫁http://suliruku.blogspot.jp/2016/04/blog-post_32.html

【内政チート】アメリカ「金と銀の交換レートで、日本の黄金を強奪してチートする!」19世紀の日本http://suliruku.blogspot.jp/2016/03/19_31.html
今回のコメントをまとめたページhttp://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Tyouhen/Fusiou/c31.html




ワルキュラ(幽霊娘は本当に役に立つなぁ)


徳川家康「ウンコ漏らして逃げましたが何か!」


リッテンハイム侯爵「撤退のジャマになるから、味方を殺して逃げましたが何か!」

ゆっくり次に進むよ!
LV0の不死王!】 ☚纏めたぺーじ

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  1. (´・ω・`)ゆっくり修正して、ゆっくりお休みマンモス

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(ノ゜ω゜)(ノ゜ω゜)たまに投稿したコメントがエラーになるけど、プラウザバックすれば、投稿した文章が復活します

(´・ω・`)1日に1回、システムからスパムだと判断されて隔離処置されたコメントを、元の場所に戻しておるんじゃよ。

(ノ゜ω゜)(ノ゜ω゜)コメントの入力欄は小さいですが、右端の//をクリックして下に引っ張れば、かなり大きくなります。




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マザーテレサ(ノ●ω●) 人間にとってもっとも悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない。 自分はこの世に不要な人間なのだと思い込むことだ。