5話「勇者召喚の国と『究極のトンカツ定食』後編

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公開日: 2015年12月2日水曜日 (✿╹◡╹)料理大好きエルフの異世界レストラン 自作小説



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機械歩兵。モッフフー帝国の主力種族。
工場で大量生産された人型ロボット。腕にビーム砲、背中のスラスターで自由自在に空を飛び戦う戦場の王者だ。
その機械歩兵を満載した艦隊が、遠い場所から転移。
真ブータ帝国の上空を物量で埋め尽くした。
ルビー元帥の副官タヌキモンの指揮の元、次々と機械歩兵を降下させていく。

「オークは全て殺せ!拉致された被害者達を救出せよ!

召喚装置は壊せ!反物質で構成された宇宙に接続でもしたら大変だぞ!」

総人口500万匹、奴隷勇者人口1000万人を抱える真ブータ帝国は屠殺場と化した。

空に浮かぶ浮遊大陸の構造上、大物量で包囲されると逃げ場はない。(飛び降り自殺はできるが)
隠れる事は出来ても、機械歩兵のカメラアイのセンサーで見つかって殺されるだけだ。

「ヒャッハハハハ!人間ども働けぇー!働かないと飢え死にさせるぞぉー!

この前のジジイみたいになぁー!
ん?なんだお前――」
「対象を排除する」

拉致した人間達を無理やり働かせて、鞭でパシーンパシーンしていた豚《オーク》は死んだ。

ビームで頭を貫かれて即死だ。機械歩兵は正確に射撃して、見かける豚をゲーム感覚で殺していく。

「これで俺の子供は千人目っー!種付けの仕事はこれだからやめられな――」

「対象を駆除する」

繁殖牧場で、人間のメス相手に腰を振っていた豚達も死んだ。すぐ死んだ。

足の速い豚も、頭の良い豚も、無能な豚も、平等にビームで貫かれて死んだ。
500万匹居た豚は、一時間も経過する頃には1匹を残して全滅。
動かない豚――焼豚になった。
召喚魔法で拉致られた1000万人の人間達は救助され、大型輸送艦へと次々と運び込まれ、祖国へと帰っていく……。
まるで喜劇だ。あっという間に豚の国は消滅だ。
蟻と巨大戦艦が戦うような圧倒的な軍事力の格差がそこにはあった。

「き、貴様っ!どういうつもりだ!

俺様の国を不法に侵略するとは何様だ!」

そんな光景を見せられた最後の豚……ブータ皇帝は憤慨した。豚の頭にはルビーの小さい右足が乗せられている。

今いるのはルビー元帥の旗艦『セバスチャン』だ。
1kmのルビー色の巨体。その中にある展望室にいる。
ブータ皇帝は身動きができないように、体中を縄で縛られ床に転がり、周りに50人の機械歩兵と、少数の獣人がいた。
ルビーは右足で豚皇帝の頭に体重をゆっくり乗せながら――侮蔑した。

「はぁ?

アンタ、未だに事態を理解してないの?
召喚魔法で近隣の国々から、人間を拉致したわよね?」
「それの何が悪いっ!俺様の国では合法だ!
古代遺跡から発掘された召喚魔法装置で召喚された者はっ!俺様の財産になるというルールがある!
財産を好きなように使って何が悪い!
貴様らがやっている事は内政干渉だ――アズドロン!?!」

ルビーは一気に右足に力を込めた。豚は床に顔を打ち付け、鼻が折れ、豚らしい醜い顔になる。

痛みに悶絶して苦しむ豚に、ルビーは冷たく教える。

「アンタの国で合法?

他の国々から無理やり拉致しといて何様なの?
同盟法や他の国々のルールを破ってる時点で制裁されて当たり前でしょ?」
「アババッ!」 

ルビーが足に力を込める、緩める、込める。その度にゴンっ!ゴンッ!ゴンッ!豚の頭は何度も床に打ち付けられた。 


「アンタ、少なくとも1000万人を拉致した大罪人よ?

他の国々にどれだけ迷惑がかかったのか考えた事もないの?
拉致されたせいで、崩壊した家庭が幾つもあるわ」
「う、うるさいっ!
俺様のために働けるのは光栄な事だっ!
俺様の国の勇者になれるのだぞ?人間どもは喜ぶべきなのだ――アレフっ!」

再び、ルビーが右足に力を込めた。ガンッ!ガンッ!豚の頭が床に打ち付けられる。


「拉致られた側にメリットないでしょ?馬鹿じゃないの?

工場勇者?ただの無賃金で働く奴隷じゃない!
農業勇者?なんで豚のために野菜作らないといけないの?
繁殖勇者?豚が人間や獣人に欲情するな!アンタを見ていると1200年前の糞豚どもを思い出すわ!
さっき、パンツ見られたし、もう殺すわ!死ねっ!」

問答無用で右足に力を込める。豚の頭が砕ける寸前――近くにいた副官タヌキモンがルビーの肩を掴んで止めた。


「ルビー様。その豚は人間の国に引き渡す予定であります。

殺すのは不味いかと」
「あら?楽に殺しちゃう所だったわね?」

豚の頭にもう一度蹴りを入れ、ルビーは足をどかした。

痛みに苦しむ豚は、急に恐怖する。

「お、俺様を人間の国に引き渡すだと!?

まさか死刑かっ!?」
「そりゃそうでしょう?
これだけ迷惑かけたんだから、死刑くらいの軽い罪なら受けなさいよ」
「俺様は死んだらどうするつもりだ!?
こんなことは世界が許さないぞ!」
「そりゃ死刑だもの。アンタが死ぬのは当たり前だわ。
それにね――」

ルビーは危ない妖艶な笑みを浮かべて


「アンタさ?

未だに簡単に死ねると思っているの?
ここらへんの国々って、極刑が凄いわよ?
何も食えずに長生きさせられる餓死刑。
身体を少しづつ削り取る羊刑。
魔法で脳みそだけ生かして、苦痛を与え続ける呪殺刑もあるわ。
さて?アンタはどの罪で裁かれるのかしら?」

ルビーの嘲り、豚は認められなかった。

――かつて地上を席巻したブータ帝国の末裔である俺様が、こんな所で死んでいいはずがない。
王族には王族らしい死に方というものがあるはずだ。
だから、せめて穏やかな末路を得ようと豚は抗議する。

「俺様が死刑になるとしてもっ!

王様らしい死に方というものがあるっ!これは偉大なる先祖への侮辱だっ!」
「偉大な先祖?豚に偉大な先祖がいるの?」
「ああっ!そうだっ!
俺様の先祖はなっ!220億匹のオーク達を束ねたブータ大帝国の帝室だっ!
俺様は245代目の正当後継者であるっ!
どうだっ!俺様の待遇を――デブッ!」

ルビーが軽く豚のお腹を蹴った。豚は内容物を吐いて床を汚した。


「たかが豚の帝国でしょう?

僕の名前を教えてあげようか?
モッフフー帝国第三王妃ルビー・ナポよ。
ね?この言葉の意味わかるでしょ?」
「え、……だ、誰だ?」豚は頭を傾げた。ルビーにまた顔を蹴られた。
「あれ?分からないの?
そりゃそうよね?
アンタ偽物だもの。
アンタのご先祖様なんて皆殺しにしたから直系が生きているはずないわ。
僕は1200年前にブータ帝国を滅亡させた1人よ?
歴史も知らない癖に、よくそんな捏造を言えるわよね?」

豚は蹴られすぎて気絶している。

話を聞いていない。
ルビーは余計に豚を侮蔑し――冷たい視線を向けた。

「最近の豚は貧弱よね……。

少しは昔の豚を学びなさいよ?
僕の故郷にひどい事したブロンブス総督っていう豚とか、鉄板の上で焼き土下座させたのに意識を失わなかったわよ?
豚以下ね、このゴミ」



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「……というような事があったのよ。

豚の分際で、他種族のメスをレイプするなんて生意気よねぇ。
あ、どうでも良いけど、さっき話した豚は、人間の国で餓死刑に処されたから、今もきっと苦しんでいると思うわ」

お風呂でゆっくり温まる二人。

とっても心地が良いひと時。
話を聞いているはずのラッキーは、フライパンから揚げたトンカツを皿へとポトポト落としている。

「……すいません、おばあ様。

私、料理に夢中になってました。
確か経営の質が悪い養豚場の話でしたっけ?」

言いながらラッキーは炊飯器からゴハンをしゃもじで取り出し、青色の器に入れる。

隠し味にピンク色の粉をサッサッとかけた。
別のフライパンで焼いていた虹色キャベツ炒めも完成。皿に載せる。
ルビーはその手際の良さに関心。食欲を掻き立てられた。

「ラッキー、アンタのユーモアセンスには負けるわ。

そうね。養豚場の話だったわよね」
「私が使っている豚は、高級黒豚だから美味しいですよー。
本物の豚肉よりヘルシーで栄養バランスが良いです。
はい、おばあ様~。召し上がれ~」
「あら?美味しそうね?」

湯船のお盆に、揚げたトンカツ、ホカホカの白いご飯、虹色キャベツ、お茶が置かれた。

トンカツには塩がかけられている。

「いただきまーす」


ルビーはお箸で、トンカツを掴み、ガブッと一口齧る。

――豚のヒレ肉を覆う衣(ころも)がサクサクッ!という食感を感じさせて、噛めば噛むほど甘い肉汁を堪能できた。
これはきっと上質なヒレ肉ね。
絶妙な感じに調理してあって美味しいわ。天然塩との相性が良くて心が躍りそう。
この極上トンカツを噛めば噛むほど、その美味しさを堪能でき……あれ?
――僕の視界が、超広大な花畑へと変わっていた。
黄色い花、紅い花、色とりどりの花が僕を囲んでる。
なんて美しい光景なのかしら。豚を虐殺した荒んだ心が洗われるようだわ。
しかも、巫女服を着た、二頭身の狐娘チビ・ミーニャン様が花畑からたくさん出てきて、僕を何度も何度も空に放り投げてくる。
「ワッショイ!」「ワッショイ!」「ワッショイ!」「ワッショイ!」
ピョーンピョーンと、僕の身体は花畑の空を舞う。
まるで子供の頃に返ったみたい。
そうね、子供の頃は何もかも新鮮で、世界が美しく見えたわ。
何時からか、広大な花畑を見ても感動しなくなったけど、この花畑は感動物よね。
「モッフフー!」「モッフフー!」「モッフフー!」「モッフフー!」
幼い頃を思い出して涙が出てくる……。
このトンカツ――本当に甘くて切なくて、青春の味がして美味しいわね。

「おばあ様?

私のトンカツ定食の味はどうでしたか?」

僕は花畑で、黄金色に輝く孫娘《ラッキー》の姿を見た。

まるで神のように神々しい姿。片手にフライパンを、もう片方には包丁を持っている。
僕は晴れやかな心で答えた。

「僕は……素敵な孫娘を持てて幸せよ。

トンカツに使われる豚さんたちが好きになれそうだわ。
豚さん、生きてくれてありがとう。
僕の身体の一部になってありがとう」

ラッキーは首を傾げて


「私が使っている豚肉は……工場で空気と水で合成して作った人工肉ですよ?おばあ様」


なんだ、食べる・犯す・寝るだけの豚なんて生きる価値ないじゃない。

国ごと屠殺して良かったわ。



おしまい 





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3 件のコメント :

  1. (´・ω・`)二度目の修正はゆっくり後日
    そろそろスイーツを出したくなってきた。

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  2. パルメ(´・ω・`)さんはかつはな亭(´・ω・`)さんに改名するん?

    返信削除

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マザーテレサ(ノ●ω●) 人間にとってもっとも悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない。 自分はこの世に不要な人間なのだと思い込むことだ。