4国目 軍事オリンピックの国なのです 前編

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公開日: 2014年12月18日木曜日 自作小説 正しいオートレベルアップの使い方






前にゆっくり戻るよ ゆっくり次に進むよ
HP  どうやら旅歩きでエルフ娘の人生が凄くレベルアップしたようです  
オリンピックとは? 国際的なスポーツ大会の事なのです。

オリンピックとは? 現実だと、夏季大会と冬季大会があるから2年に1回オリンピックやっている計算ですけど、この世界だと4年に1回なのです。

軍事とは? 戦争、軍隊、軍人、軍事力などに関する事柄の総称なのです。
とてもお金がかかりますけど、驚異が絶対なくならない以上、必要なのです。
国によっては外敵と内部の敵に対処するために、膨大な予算を使って軍隊二つ保有している事があるのです。










結局、イエニーさんと弟さんとは別れて、私達は別々の方向に旅立つ事になりました。
出来れば、一緒に旅をした方が心強いのですが、二人は新婚夫婦なのです。
私達が居ては、ゆっくりイチャイチャできませんよね。
……いいなぁ、新婚旅行。
私は独身を後何年続ければいいんですかね?
そう思って、隣でわたしの左手を握りながら歩いている師匠の顔をチラっチラっ見ると

「ヴィクトリア。
次行く国は、僕がオススメするとても良い国なんだよ」

私が暇だから師匠を見ていると思ったのか、色々と話し始めました。
知的好奇心旺盛でいいですね、師匠。

「どう、オススメかと言うとね。
オリンピックという素晴らしい平和の祭典があるんだ」

「師匠、それって国際スポーツ大会の事ですよね?」

「ヴィクトリアは博識だね。
そうだよ。その国では4年ごとに周辺国と一緒に国家の威信をかけてオリンピックが開催され、殺し合う戦争ではなくスポーツで国民の感情を発散する優れたシステムなんだ。
昔、ラッキーお婆さんと一緒に旅していた時に、ちょうどオリンピックを開催している時に訪れたから、当時の僕は感動したんだよ。
……スポーツは良い。
人は下らない生き物じゃないって事を僕に教えてくれるよ。
スポーツのフェアプレーの精神が全世界に広がれば、人類はきっと良い方向に進めるのさ」

「それは良い事なのです、師匠。
世界が平和になったら、安心して散歩できるのです」

確かに今までの国を見ると、人間に対して不満ばっかり募りますよね。
大魔王【悪夢の皇帝】を呼び込んで、世界秩序を崩壊させたのも人間ですし。
……もしも、私が元人間だって知ったら、師匠は軽蔑しますか?
私、隠し事多いから、ちょっと辛いんですよね。
良心の呵責という奴を感じます。








……3週間ほど、お互いに手を握りながら仲良く散歩していると、例のオリンピックの国が見えてきました。
えーと、空には数千機の戦闘機が飛んでいて、地上には数万の戦車、数十万の人型ロボットが綺麗に整列して行進していて、まるで戦争する準備をしている最中の国ですよ。これ。
師匠が何年前に、この国に訪れたのかわかりませんが、酷い有様なのです。
師匠の顔をチラリと見ると、何処か悲しげな表情をしていました。
感動を与えてくれた国が、こんな有様じゃ、そうなりますよね。
きっと魔族のせいに違いないのです。

「やれやれ、僕は人間不信になりそうだよ。ヴィクトリア」

「でも、何があったのか調べるためにも、入国した方がいいのでは?
私的には見なかった事にして立ち去りですけど」

「……そうだね、そうしよう。
きっと魔族が裏にいる気がするから、元凶を叩きのめして元の平和な国にしないといけないね。
僕はかなり怒ったよ」

師匠は風のバリアーを周りに展開しながら、国の入口へと向けて私と一緒に歩きました。
今回は光学迷彩は何故かなしです。
きっと、これだけ軍事技術が発展した国ですから、光学迷彩を探知できるんだと思います。
それに、堂々と道を歩いても、周りにいる軍隊は私達の存在を無視してくるから安全でした。
そのまま、何の障害もなく、国の入口にある小さい検問所へと着くと、師匠はポケットから一枚のカードを出して、検問所にいた若い青年兵士に渡したのです
青年兵士はそれを手に取って、じっくり確認して驚きました。

「あなた様はS級冒険者のマクシム様ですかっ!?」

「ああ、そうだよ。
僕はマクシム」

「どうぞどうぞ!お通りください!
軍事オリンピックにようこそ!
隣にいるのは妹さんですか?可愛いですね!」

師匠の機嫌が悪いのか、兵士への対応がおなざりです。
ところで軍事オリンピックって何ですかね?
聞いた方がいいと思ったので、青年兵士さんに聞いてみるのです。

「あの、すいません。
軍事オリンピックとはなんですか?」

「あれ?知らずに来たんですか?」

「残念ながらそうなのです」

「なら、私が説明しましょう!
こっちの受付に来る人が少なくて暇でしたし!」

青年兵士さんは、笑顔を浮かべて自信満々に解説を始めました。
説明好きなんですね。

「今から500年ほど前、私達の国と周辺国は関係改善のために、スポーツ競技を通じて国家間の紛争を無くすオリンピックというものを開催しました。
その効果は素晴らしく、それまでは定期的に戦争するほどに仲が悪かった国々が、お互いに仲良くなり、国際結婚が増えて、いずれは一つの国になってもいいと思うほどに人間達の心を団結させたのです」

「その頃は普通のスポーツ大会だったのですね」

「ええそうです。長距離を走ったり、槍を投げたりしてました。
ですが、その平和なスポーツ大会の開催中に、ゴブリンやオークの国々が攻めてきて、大勢の人間が殺されたから、私達は反省して軍事力の強化を目指した軍事オリンピックを開催し、人間同士で平和な方法で軍事力を競い合う事で、異種族の驚異に備える事にしたのです」

「平和な方法で軍事力を競う……?
どういう事なのですか?」

「あちらをご覧ください」

青年兵士さんが右手で、国の外に展開している軍隊を指し示しました。
そこには数万の戦車が居て、数千の戦闘機が飛んでいるだけです。

「あれらは全て自分で考えて動く無人兵器なんです!
最新の生体脳……いえ人工自脳を搭載した無人兵器同士で潰しあって競い合う、人間が決して誰も死なない戦争!軍事オリンピックを築き上げたのです!」

「おお!すごいのです!
それなら確かに誰も死ななくて安全です!
科学凄いのです!」

「ええ!
あれらの兵器は我が国……いえ、周辺国全てを含めたアース連合国の誇りです!
ぜひとも、軍事オリンピックを鑑賞して、他国にその素晴らしさを喧伝してください!」

そう言って青年兵士は道を開けたので、私と師匠は門を潜り入国しました。
でも、可笑しい事に師匠は悲しそうな顔をしています。
外にある兵器を一瞬チラリと見て、顔を顰めていました。

「やれやれ、人間とは本当に……どうしようもない生き物だ。
ある意味、魔族と変わらない」

それは小さい声でしたが、わたしのエルフ耳に届きました。
はて?一体どういう事なのでしょうか?
でも、周りが人間だらけの国だから、質問すると不味い気がするから聞くのはやめる事にします。
今は軍事オリンピックとやらを鑑賞して楽しむ事にしますよ!
戦闘機や戦車って格好いいですよね。
私、ああいう実用品好きなんです。
個人的に購入するのは大富豪じゃないと不可能ですけどね。




国の中は、大量の巨大な薄型軽量モニターがあちこちの街頭に設置されて、大通りなら何処からでも競技を視聴できるようになっていました。
今は大会を最後まで勝ち残り、決勝戦に進んだ10両で構成された戦車部隊が二つ、優勝を巡って闘っている様子が放映されています。
お互いに何kmも離れた場所から、移動して砲弾を撃っているのでどちらの攻撃も中々当たりません。
なにせ、相手の未来座標を予測して撃たないと、着弾時には相手戦車は別の所にいるからです。
贅沢ですねぇー。
こんな実戦形式で大量の予算がかかりそうな大会を、4年に一度開催するなんて贅沢です。
でも、軍隊は一番コストがかかる人件費を削減できたら軍事費を安くできるそうですから、無人兵器で構成された軍隊は財政の負担にはならないのかもしれません。
戦車部隊同士の戦いは、砲弾を撃ちあっている間に両部隊とも数をすり減らし、両部隊とも戦車一両を残して全滅。
その最後の戦車も、お互いに撃った砲弾が同時に着弾して爆発してスクラップになって引き分け。
両国ダブル優勝という珍しい事態になりました。
あるんですね、こういう偶然。
隣にいる師匠はこれを見て、どう思うのかなと私が顔を覗くと、やっぱり悲しそうな顔をしています。
師匠、人間が嫌いなのですか?
私、ますます元人間である事を打ち明けにくくなりましたよ?




一通り、今日の競技が終了した後、私と師匠は手を繋ぎながら今日泊まる場所を探して歩きました。
数年ぶりにベットの上で眠れるかと思うと楽しみです。
いつもは師匠と隣り合わせで、風の結界の中で野宿ですけど、もふもふのベットも悪くありませんよね。
と思って、次々と色んなホテルに訪れたら、返ってきた返答は

「ホテルは予約客で一杯だよ!」
「満室だよ!ごめんね!」
「軍事オリンピックのシーズンは、来客で一杯だからねぇ。何処も泊まれないと思うよ?」

どこも満員でした。グスン
そりゃそうですよね、こんな大規模なイベントに大勢の観光客が来て、どこも満室になって当たり前ですよね。
いいんです。いいんです。
路上に風の結界展開して、好きな師匠と隣り合わせの野宿でいいんです。
愛があれば、べっトは要りません。
手と手を繋ぎあって、師匠のぬくもりを感じれば寂しさや貧しさは吹き飛びます。
と覚悟を決めながら、夜の道を散歩していると後ろから声がかかりました。

「なぁ、あんた達が宿をとってなくて困っている観光客かい?」

振り向くと、そこに居たのは40歳くらいの人の良さそうなオバサンが居ました。
私は素直に返事をしたのです。

「はい、そうなのです。
どこも満員で宿泊できなかったです」

「なら、アタシの所に泊まりな。
少々古いけど、一室だけ空き部屋があるんだ。
ただし、料金は宿泊だけで1日で銀貨1枚だけどそれでいいかね?」

払うのは師匠だから、私じゃ決められないのです。
師匠は救われたような顔を浮かべて

「なら、それでお願いしよう。
一週間泊まる予定だから、銀貨7枚を先に渡しておくけどそれでいいかい?」

「まいどあり!
アタシの宿はこっちだよ!」

いま、師匠の心は、何に救われたんでしょう?
このオバサンの善意って奴ですかね?人間には良い所もあったんだと再確認したのでしょうか?
兎に角、宿に泊まれるのはいいことです。
私達はオバサンの後をついていって、招待された先は大通りから離れた住宅地。
とっても交通の便が悪そうで、道は車が一台ギリギリ通れるか、通れないかという場所でした。
絶対に、車が存在しない頃から、続いている住宅地ですよ。これ。

「ここがアタシの宿だよ!」

そこにあったのはオバサンの言う通りのボロ宿。
2階建ての木造建築。20人泊まれるかどうかという大きさです。
そろそろ建て直した方が良いですよ。これ。
そりゃあの値段で、この立地のボロ宿じゃ満室にならない訳です。
まぁ、久しぶりのベットを楽しめれば私はそれでいいのですー。
宿の玄関から入って、ギシギシ音をたてる階段を上がり、泊まる部屋へと案内された私達がそこで扉を開けて見た光景は
小さいベット一つの狭い部屋でした。
なるほど、おばさんは、私と師匠を恋人だと判断した訳ですね。

「ここがあんたらが泊まる部屋だよ!
どれだけベットを汚しても、アタシが洗濯するから安心しな!」

そう言うとオバサンは部屋の扉を閉めて出て行きました。
いやー、ドキドキしますね。
師匠と同じベットで寝るなんて、間違いが起きたらどうしましょう。
やっぱり責任を取ってもらって結婚ですかね?
師匠は着ている衣服を……一瞬で着心地が良さそうな緑色のパジャマに変えて、ベットの方向へと歩いて行きました。
はい?服を一瞬でチェンジ?

「あの、師匠。
いまどうやって服を変えたのです?」

「エルフはね。
ずっと同じ服、帽子、ズボン、アクセサリー、下着などを着ていると、素材がいつの間にか、精霊と完全に入れ替わっているから、どんな形にでも変形できるんだよ、ヴィクトリア」

「なるほど。
それは便利そうなのです。
一着で日常服も水着も体操服もヴェディングドレスもカバーできるという事なんですね?」

いいですねー、色んなお洒落が手軽にできて幸せです。
私、若い女の子ですから、色んな服を来てみたいんですよね。

「ああ、そうだよ。
でもね。ヴィクトリアの場合は光の精霊がほとんどいない夜は全裸になってしまうから、服や下着を完全に精霊化させるのはオススメしないね」

光の精霊さん。
なんで夜はほとんど居ないんですか?
酷いのです。

「それよりもヴィクトリア、ベットが一つしかないんだ。
……二人で寝るには手狭だけど、密着すれば眠れるね」

「そ、そうなのです。
もしも魔族が襲ってきたら大変ですから、二人で寝るしかないのです」

いやー、どうしましょう。
どう見ても、師匠は私をベットの上に誘ってますね。
これはもう結婚までゴールイン?



中編に続く。

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